それでもタワマンは建ち続ける??

今年以降に建設・計画されている20階建て以上のマンションはいったいどの程度の戸数なのだろうか?不動産経済研究所の資料によれば、首都圏で186棟、8万919戸もあり、中でも東京23区内は124棟、5万5519戸もある。

 ■人口減少に向かうにもかかわらず増える住宅供給

この超高層マンション、いわゆるタワーマンションは中古になっても値崩れが少なく投機目的も兼ね備えたマンションであるがために、未だに人気は絶えない。

しかしながら、23区内だけも5万戸以上も供給されるだけに今の住宅飽和状態を見ると、その将来はどうなっているのか不透明感がある。

例えば、湾岸エリアのマンション建設ラッシュはすごいものがある。

50階以上の高層マンションだけ見ても、勝どきあたりでは5,000戸あまりが供給、月島で1,100戸、晴海、豊海で5,700戸程度、豊洲で1,200戸といった具合だ。

すべて合計すると、この湾岸エリアだけでも13,000戸あまり、仮に平均分譲価格が7,000万円としても取引金額は910億円となりすごい金額だ。

また、1戸当たりの世帯人数を2~3人としても26,000~40,000人もの人が住むことになる。

地方の小規模な市町が突然できるようなスケール感がある。

当然、交通機関にも影響があり、話題の豊洲や勝どきの駅は乗降客の多さでホーム自体も狭さを感じる。

これだけの規模が住宅市場に供給されている現状を見ると、一方では空き家対策でいろいろと施策が打たれ始めているが、いまだに新築の住宅供給がなされているのには矛盾を感じる。

建築産業は自動車産業と同様に裾野が広い業態であるから、日本の経済をけん引する産業でもある。

中小の工事業者から家具やインテリア、ローンや火災保険を取り扱う金融機関まで、その影響範囲は計り知れない。

加えて、政府も住宅建築にまつわる減税などを率先して行う。

建築物が出来れば不動産取得税をはじめ、半永久的に付随してくる固定資産税や都市計画税といった税収のおまけもあるからこそ推進するわけだ。

 ■タワマンは買うべきか??

たとえば「タワーマンションを買えば相続税が下がる」という税制面での優位性があったが、それも見直されるようになった。

タワーマンションが売れるのも、市況の評価に対して相続税に関する評価が低い。

たとえば、現金で1億円持っていると、その1億円がまるまる課税対象として評価されてしまう。

しかし、そのお金をタワーマンションに変えれば評価は格段に低くなり、2,000万円程度にまで下げることができると言われている。

実際、これを指南している税理士も少なくない。

しかし、目に余る事態に国税庁長官が「これは租税回避行為である」との見解を示し、評価方法の見直しに入ったために、これまでのような“節税対策”は難しくなる。

節税のほかにも、タワマンを憂慮する理由が存在する。

マンションが避けて通ることができない“修繕”に関する問題がそれにあたる。

たとえば、1998年に竣工したタワマンの“元祖”、埼玉県川口市のエルザタワー55で大規模修繕が始まっているが、すべての修繕を終えるまでに数年、12億円かかると言われている。

普通のマンションは「3LDKが100戸」といった具合に部屋の規格が揃っているものがほとんど。

ところが、タワマンシは1LDKや2LDK、3LDK、上層階には数百平米の部屋があったりと、さまざまな規格が入り乱れているため、様々な資力、経済力の人たちの住まいが混在している。

ハイクラスの人たちは修繕金が上がったとしても払えるが、それが払えない人も出てくる可能性は拭えない。

そうなったとき、その人たちにどう対処するのか?

今後のタワーマンションにおいては、こうした理由から修繕破綻する危険性を秘めていると囁かれている。

このように、タワマンの多くは、このような火種を抱えている。

 ■タワマン所有は疑問??

タワマンは維持するためにお金がかかりすぎる。多くのエレベーターを備え、駐車場も機械式のものを完備。マンション内にはいろいろな施設があり、24時間態勢のコンシェルジュサービスを設けているところも。さらに共用部分の電気代や清掃代などもかかり、その結果、管理費と修繕積立金で月3万円以上は当たり前になっている。

例えば、豊洲など人気エリアのマンションでも、駐車場を300台分作りながら都心の“クルマ離れ”も手伝い、半分しか埋まってない事態が発生しているようだ。

マンションの建築に何年もかかるなかで世の中が変化し、こういった状態を招いている。

機械式の駐車場は10年ほどで壊れる場合もあり、メンテナンスが大変である。

これがもし将来「建て替え」という話になったとき、どうでしょう。所有者の5分の4の賛成がないと実現できないため、将来はかなり厳しいだろう。

こうした背景から、タワマンは賃貸で借りて住むほうが向いているのかもしれない。