今月の初めにこんな相談があった。

『ハウスメーカーで注文住宅の契約をしましたが、解約をしたいと担当者に言ったら違約金がかかるので解約はやめた方がいいと言われました。

でも、私たちは解約したいのですが違約金は払わないといけないのでしょうか?』

加えて、こんなコメントもいただいた。

『インターネットでも調べたのですが、違約金は契約金額の1割程度はかかるとかあって不安です。』

当方でもネットで検索してみたが、中には不可解な記事が見受けられたので、いくつかピックアップしてみよう。

<手付金放棄で解約できるのは不動産の売買契約>

注文住宅の契約はいわゆる工事請負契約にあたるわけだが、不動産の売買契約と同じように捉えている方々が多いようだ。

例えば、契約時に払ったお金は不動産の売買契約では手付金と称し、この手付金は放棄すれば契約は解約できるという解約手付となっている。

ところが、請負契約では手付金という表現はなく単なる契約金と称しており、注文者から契約を解約する場合には、解約時の時点でそれまでにかかった費用を請負者に賠償することで解約はできることになる。

つまり、売買契約にあるような手付金放棄で請負契約が解約できるとは違うということは認識しておく必要がある。

<注文住宅の解約時にかかる違約金の額は不動産の売買契約とは違う>

相談者の方によれば、『注文住宅の契約解約にかかる違約金は、契約金額に対して約1割が目安で、契約金額が4,000万円ならば違約金は400万円です。』とあり、しかも『宅建業法で違約金と損害金の合計は契約金額の2割までと決められていますが、その金額よりも安価ですから安心です。』とのこと。

確かに、不動産の売買契約では宅建業法の縛りが厳しくあり、違約の場合は2割を上限に違約金として請求できる。

しかしながら、請負契約の場合では違約金の上限を定める場合はなく、あくまでも損害を賠償することで契約を解約できるものとしている。

あるハウスメーカーの工事請負契約の約款には、注文者が請負契約を解約する場合には次のように書かれている。

『注文者は、工事が完成するまでには、必要に応じてこの契約を解除できるものとする。この場合注文者は、これによって生じる請負者の損害を賠償するものとする。』

この約款内容は民法に準じているもので、民法第641条 には次のように明記されている。

民法第641条(注文者による契約の解除)

請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

したがって、契約金額の1割ぐらいが違約金としてかかる等々はおかしいといえるだろう。

例えば、上記の契約金額が4,000万円の請負契約を解約しようとすれば、工事着手前であれば、それまでにかかった費用を実質精算して解約となる。敷地調査や地盤調査を行った場合や詳細設計や確認申請をした場合の費用を注文者は請負者に払って解約ことになる。


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